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トチを食べる
キャンバス、油彩、箔
3900×1303mm
2014
女性が栃の木を受け継ぐ話がある。
栃の実は飢えをしのぐための貴重な”かてもの”
あるいは雪深い地域で保存食として重宝されてきた。
山形県の行沢という地域では、いまでも栃の実を食べている。
行沢には栃の木の共同林が存在する。
口開けの日、女性たちは皆で山に入り、手分けをして栃の実を拾う。
皮むきもまた共同で行う。
それは夜通し続くこともあった。
一晩中聞こえてくる賑やかな声。
歌う人、踊る人。ときには子供をあやす子守唄も聴こえてくる。
栃の灰汁抜きは親から子の代へ受け継がれ、
いまも行沢の女性の手によって守り続けられている。
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